NHK 放送技術研究所 (技研) は、視覚疲労を抑えた「ライトフィールド方式」VR ヘッドセットの薄型化に成功したと発表しました。ライトフィールドは実世界と同様に光線そのものを再現する方式で、被写体までの距離に応じて目の焦点位置が無意識に調整されるため、固定焦点の従来 VR で起こる輻輳と焦点の不一致 (vergence-accommodation conflict) が緩和されます。試作機ではレンズアレイと接眼レンズの間に約 4cm 必要だったすき間を排し両者を接触配置することで、光学系奥行きを 49.5mm から 10.5mm に短縮しました。

主なポイント

  • 光学系奥行き 49.5mm ⇒ 10.5mm (79% 削減)。ライトフィールド HMD は薄型化が最大の壁で、これまで実用デバイス化が進まない最大の要因だった
  • ライトフィールド方式は固定焦点の Quest / Vision Pro 系とは異なり、自然な視差・焦点ぼけを再現するため長時間視聴での疲労や乗り物酔いを抑えられる可能性
  • 5 月 28 日 - 31 日に世田谷区の NHK 技研で開催される一般公開イベント「技研公開 2026」で試作機を展示
  • 今後の改良課題は表示画素数と表示視野角の向上。教育・医療・エンターテインメント分野への応用を想定
  • Apple Vision Pro や Meta Quest が主流の "両眼ステレオ + 固定焦点" 方式の対抗軸として、ライトフィールド方式の本格的な VR / AR 実用化を加速する可能性がある

出典: NHK技研、目が疲れにくいVRゴーグルを“薄型化” 厚みを79%削減した新しい光学系を開発 (ITmedia NEWS)